令和の現代、女性が社会に出て働くことが当たり前になっています。外に出て働くと言うことは、他人から見られる機会も多いと言うことで、化粧や身だしなみを整えるのは、女性として最低限のマナーだと思うんです。
四〇歳を超えた私でも・・・いや、四〇代だからこそ、見た目を気にする必要がある。あると思うんです。というのも、何十年も、磨きあげてきた妖艶な美貌も、残念ながら、若さには勝てないんですよね。
色々と失われてきた四〇代だからこそ、時間と手間をかけて、心身ともに整える必要があるのでは無いでしょうか。
ただ、メイクやファッションで誤魔化せないこともありますよね。例えば、体型の変化・・・特に「バスト」。
他人に見せる機会も減ったとは言え、バストは、なんと言っても女性のシンボルだし、やっぱり気になるんですよ。ちょっと前までは、特に気にもしていなかったんだけど、なんか最近・・・こう・・・重力に逆らうことなく、身を委ねているというか・・・。
私も原因を色々と考えたんです。なんだか、異常気象も続いているし、きっと、私の周りだけ、昔と環境が変わったんじゃないかと・・・。バストが大きくなり、重くなったなら納得・・・? 納得はしないけど、理由があれば良いんです。なんか、バストが下に下に引っ張られていると言うか・・・。重力に逆らえていない。
「あれ?! 私、こんなだったっけ?」
なんて、お風呂上がりに鏡を見るたびに思う訳です。全身のフォルムも変わってきているんだけど・・・目を奪われるのはバスト・・・全盛期のバストとは似ても似つかぬ・・・私が持っている私の胸のイメージとはかけ離れている・・・。
と、小さな胸と大きな悩みを抱えているとき、ひさしぶりに女子会に誘われました。まあ、四〇代のおばさんが集まり、女子会って言うのも恥ずかしいんですけど、元女子ってことで許してください。
集まった友達たちも、同じくらいの年齢だから、話題はやっぱり「体型維持」とか「美容」で盛り上がります。
で、ふと話題が「バストケア」になったんです。
「あたし最近ね、バストアップのエステに通ってるの!」なんて、一人が言うじゃないですか。
(・・・えっ?! 待ってましたっ!!)
偶然だけど、すごく気になる話題だったから、食いつき気味で、聞こうと思ったんです。効果とか、費用とか、何をどうするのかとか・・・。
そしたら、私の質問より早く、別の友達が「私は胸のハリを保つクリームを使ってるよ」なんて、これまたサラッと言うんですよ。
あれよあれよと、話が盛り上がり、何もしてない私は、蚊帳の外・・・。
(えーっ?! ちょっと待って。みんな、ちゃんとケアしてたの?!)
なんか、私だけ、何もしてなかった・・・みんな、バストケアをしているという事実を知って、ちょっと焦っちゃって・・・。それから家に着くまで、頭の中では「バストケア、バストケア・・・」呪文のように繰り返していました。
もちろん、家に着いたら、速攻で「バストケア」でインターネット検索です。
まぁ、出てくる出てくる・・・。
「バストアップ」とか、「リフトアップ」とか「ナイトブラ」とか・・・。なんだろう・・・思った以上に情報が多くて、それだけ、みんな気にして改善していると改めて知って、軽くショックを受けました。そして、自分の情弱(情報弱者)ぶりに、悲しくなりました。
もっと早くバストケアをするべきだった・・・。
まあ、過去の過ち(?)を嘆いていても、バストが元に戻る訳ではありません。取り戻せない過去より、これからの行動の方が大切・・・少しでも劣化を防ぎ、改善せねば。
色々と検討して、『バストケア専門のエステ』が私には必要なんじゃないかと・・・これまでの人生を一緒に歩んできた私のバストですが、実際、バストケアという言葉も、つい最近知った次第です。つまり、バストケアについての知識も経験もないので、専門家を頼った方が良いと考ました。
とは言っても、ですね・・・四〇代になると、こういう・・・なんかパリピ的な所に行くのは、ちょっと気が引けるんですよ。なんというか、こんなおばさんが行っても良いのか・・・若い娘ばかりで「このおばさん、何しに来たんだろう?!」と数奇の目で見られやしないか・・・自意識過剰だとは思うけど、やっぱり不安もあるんです。
で、ついに勇気を出してバストケア専門のエステに予約を入れました。私の場合、色々と調べたり、考えたりすると迷いが生じます。なので、勢いです。「えいやっ!!」と勢いで予約を入れ、行くしかないように自分に言い聞かせました。
エステサロンに入ると、ピッカピカでおしゃれな雰囲気で圧倒されてしまいました。なんか、場違いのような気がして、腰が引けます。でもですね・・・若くて綺麗なエステティシャンのお姉さんが、屈託のない笑顔で「いらっしゃいませ〜」ってね、丁寧にお出迎えしてくれました。来て良かった・・・何も始まってないけど、おばさんは、受け入れて貰えただけで、ただただ嬉しい。
「本日はバストケアコースでございますね。お客様の胸のタイプに合わせて最適なプランをご提案いたします」
と、プロフェッショナルな感じで説明してくれます。
私はもう、「これで私もバストアップ間違いなし!」って期待に胸を膨らませましてね・・・いや、実際の胸は、一ミリも膨らんでないんですけど(笑)。
で、施術が始まったんだけど、エステティシャンのお姉さんがですね・・・こんなこと言うんです。
「こちらはリフトアップ用のクリームでして、特にハリが失われがちな年齢層の方にぴったりです」
(えっ?! ハリが失われがちの年齢?! 私はそんな年齢になっていたってこと?!)
いやいや、私はそこまで年齢を重ねていたの? というか、みんなは知っていたの? あ、だから、みんなバストケアをしているんだ・・・。というか、他人から見て、自分が衰えている年代になったということを知り、私の中の小さな私は、顔面蒼白・・・。
でも、ここは大人の女性として、余裕を見せなければなりません。何食わぬ顔で
「あ、そうなんですね〜。お願いします〜」
って微笑むわけです。心の中では、「私、そんなに年齢いってた?」と自問自答しながらも・・・
で、施術が終わって、さぁ効果はどうかしらと鏡を覗くんですけど
(・・・あれ?変わってない?)
いや、確かにちょっと上がったかな?うーん、微妙・・・ちょっと期待外れかな・・・って感じ・・・。
でも、安くないお金を払って、バストケアをした訳ですよ。家に帰って、夕飯を作って、旦那が帰ってきた時にね・・・つい聞いちゃったんですよ。
「ねぇ、今日エステでバストケアしてもらったんだけど、何か変わったと思う?」
旦那は一瞬黙り込んで、なんか真剣に考え込んでるんです。
こっちはドキドキですよ。「どう?ちょっと上がってる?」って期待しながら待ってるんです。
そしたら、旦那が突然こう言うんですよ。
「うーん、よくわかんないけど、お前の胸は、いつも通り俺には丁度良いし、俺は大好きだよ!」
不意をつかれました。嬉しいんだけど、なんというか、恥ずかしい・・・。恥ずかしいですよね。恥ずかしいに決まっています。でも、長年連れ添った旦那だけに・・・
「・・・いやいや、あんたね、そういうことじゃないのよ!」
って思わずツッコんでしまいました。
でも、なんでしょう。やっぱり嬉しい・・・。四〇代になったのに、恥じらう自分がいるのもびっくりですが、こういう女心を大切にしたいですよね。
ちなみに、都市伝説的な話ですが、女性の胸は、好きな人に揉まれることで成長するらしい・・・40代でも大きくなるかは分かりませんが、揉んで貰った方がコスパが良かったかもしれませんね・・・。
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