2023年1月。これまで5年間推奨されてきた子供のフッ素使用濃度と量が変更になりました。
今までよりも「濃度の高いフッ素を使おう!」と日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会の4学会が合同で「フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法の新たな基準」を発表しましたよ。
高濃度・・・なんか不安
世界標準の量ではありますが、今年の1月に変わったばかりなので、私としては少し様子をみてもいいのかなと思っています。
低濃度のフッ素でも正しく使えば効果があるので、この記事では「フッ素の効果」と効果を発揮するための「正しい使い方」について、歯科衛生士歴25年の私が解説していきます。
\忙しいママにおすすめ!話題のオールインワン/
フッ化物配合の歯磨剤の使用基準が変更
冒頭でお伝えしたように2023.1~フッ素入り歯磨き剤の推奨する使用基準が変わりました。
簡単にいうと『子供でも高濃度のフッ素を使ったほうがいいよ』というもの。
その基準がこちらです↓
2022年までは0~5歳は500ppmだったのが、倍の1000ppmが推奨濃度になりました。そして、6歳以上は大人と同じ1500ppmのフッ素を勧めています。
ちなみに私は、子供に高濃度フッ素を使用することに疑問を感じています。
個人的には必要ないと思ってる!
低濃度のフッ素でも効果は十分と感じている理由と合わせて、フッ素の効果や正しい使い方をおつたえできたらと思っていますので最後までお付き合いくださいね。
フッ素って何がいいの?歯磨き粉に入っている理由
フッ素入りの歯磨き粉は、厚生労働省が許可した医薬部外品です。
そして、フッ素は自然界にも存在していて私たちの体内にもある成分です。
苺とかにも含まれているよ♪
フッ素の4つの効果
1,再石灰化の促進
2,酸に強い歯質になる
3,酸の産生を抑制する
4,抗菌作用がある
再石灰化・・・?
説明するよ♪
虫歯ができる仕組みと、フッ素が良い理由
大前提として、知っていて欲しいのが「何かを食べると、口の中が酸性になる」ということ。
普段は中性の口の中が酸性に傾くと歯が溶けます。酸性に傾いてる時間が長かったり、何回も酸性に傾くと歯が柔らかい状態になり、虫歯のなりかけみたいになります。
脱灰って言うよ
酸性に傾いたお口の中は40分程度かけて唾液が中和してくれます。
そして、その時に唾液中に溶け出たカルシウムやリン酸がまた歯に取り込まれ、元の硬い状態に戻ります。それが再石灰化(さいせっかいか)です。
一回溶けた歯が元に戻る♪
再石灰化・・・すごい!
つまり、食事の度に脱灰と再石灰化が繰り返されて、虫歯にならずに済んでいるというわけ。
フッ素は、その再石灰化を促してくれるのが最大のメリット!
さらにフッ素は、再石灰化を促してくれるだけでなく、歯の表面がコーティングされたような状態にしてくれます。使い続けることで、虫歯菌が酸を出しても溶けにくい「強い歯」にしてくれるんですよ。
だから虫歯予防に効果的♪
おまけの豆知識「虫歯になりやすい人はこんな人」
この3つは注意だよ!
ダイエットや胃腸の病気などで、「5食とか6食に分けて食べる人」や「間食が多い人」、
またYouTubeやテレビを見たり、晩酌しながら「ダラダラと長い時間かけて食事をする人」、
健康のために「お酢を飲む人」、好きで「クエン酸のついたグミなどをよく食べる人」なんかは要注意です。
脱灰の頻度が多すぎて、再石灰化が追い付かないと虫歯になってしまいます。
フッ素の効果的な使い方
お家で使えるフッ素には、歯磨き粉やジェル、スプレー、洗口剤(うがいする液)など様々なものがあります。
たくさんあって迷っちゃう!
使いやすいものや、好きな味など気に入ったもので構いません。ただ、冒頭でお話ししたように、子供のフッ素に関して、私は《《今までの基準》》で年齢に合った低濃度のフッ素を使用すれば十分だと思います。
続けやすいものを選ぶのがポイント♪
6歳以下のお子さんは濃度の高いフッ素を使うより、おやつや歯磨きなどに気をつけてあげたほうが良いと思います。
\6歳以下ならこのジェルが安心/
\6歳ぐらいから大人まで使える/
フッ素は毎日コツコツと使うと一番効果的
結論から言うと、私は新基準の高濃度フッ素は必要ではなく、「ご家庭で使える低濃度のフッ素を毎日使ってあげる」のが一番効果的と考えています。
甘いおやつをダラダラ食べたり、歯磨きをサボったりしたら高濃度のフッ素を使ったって虫歯になります。フッ素の濃度ではなく、生活習慣を見直す方がずっと大切だと私は思います。
確かに・・・
少なくとも私はそう思ってる
年齢に合わせた濃度のフッ素を使用してほしいのですが、最大のポイントは毎日使うということです。
フッ素を毎日使うことで、少しづつ歯にミネラル分が蓄積されて徐々に歯が強くなっていきます。
一回使ったからといって、すぐ歯が強くなるわけではありません。
ミネラル分を蓄えていくイメージ!
そして、フッ素より大事なのは、汚れを残さないこと。丁寧な歯磨きとフロスでしっかり汚れをおとしてこそ、フッ素の効果があるのを忘れないでくださいね!
歯医者で高濃度のフッ素を併用
「歯科医院で塗布するフッ素」と「一般に販売されているフッ素」の大きな違いは濃度です。
歯科医院で歯科医師や歯科衛生士が塗布するフッ素は9000pp以上なので、市販されている歯磨き粉の約6~10倍以上の濃度になります。
そんなフッ素塗って大丈夫なの?
飲み込むわけじゃないからね・・・
フッ素の危険性が気になる方はこちらの記事も参考にしてください。
歯医者で塗るフッ素は年に1~3回の塗布が推奨されています。定期検診や定期メインテナンスも3~4か月毎が理想的なので、そのタイミングで一緒に塗布してもらうと良いですね!
こちらはあくまで、普段使用しているフッ素を補うようなイメージになります。
大事だからもう一度言うよ!
メインはあくまで毎日使う低濃度(100~1450ppm)のフッ素になります。
毎日コツコツ使うことが大切!
正しく使えば低濃度のフッ素でもいいと思っています
私は、できるだけ不要なものは子供に使いたくないと考えています。
そんな私の独断と偏見・・・と言われればそれまでなんですが、「低濃度のフッ素を正しく使う」ことができれば、高濃度のフッ素は必要ないと思っています。
フッ素は長くお口の中に留めておくことで、ミネラル分が歯に浸透しやすくなるので、フッ素を効果的に使うためのポイントをご紹介しますね。
フッ素の危険性についてはコチラの記事にまとめています。興味がある方は読んでみてください。
関連記事:フッ素は体に悪い!?歯科衛生士がフッ素の疑問をサクッと解決します
虫歯のないきれいな歯や口は一生の宝になります。フッ素を上手に活用して虫歯予防していけたら良いですね。
関連記事:「子供の口が臭い!」原因と対策を歯科衛生士歴25年のママが解説
\忙しいママにおすすめ!話題のオールインワン/
コメント